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貼皮についての一考

貼り方

皮を貼るのには両面テープがお手軽です。 皮の方に両面テープを貼り、 よく切れるデザインナイフで皮の周囲を軽くなぞってテープだけを切ります。 剥離紙まで切る必要はありません。 使用するテープはベースの厚みが薄く、 比較的強力な粘着力を持つものが良いと思います。 100円ショップ(ダイソー)で売ってるフィルムベースのものか、 コニシの強力タイプあたりがよいかも知れません。

両面テープが良いというのは「初心者向き」だからです。 本当はゴム系接着剤の方がしっかり接着できるので良いのですが、 市販のゴム系接着剤は粘度が大きく、 封を開けたばかりならまだしも、開けてから少し時間が経った接着剤は きれいに均一の厚さに塗れないことが多いです。

皆さんはすでにお気づきかと思いますが、 接着剤で貼った皮は縮んでいませんが、 両面テープで貼った皮は経年変化で縮んでいるものを多く見かけます。 両面テープは接着面が皮の収縮に引っ張られてしまいますが、 接着剤で貼った皮はそういうことはありません。 古いカメラで皮が縮んでいないものは、 たいてい接着剤で貼ってあると考えてよさそうです。 したがって貼皮を剥がすのは面倒になりますね。

以上のことから、ゴム系接着剤の使用がベストだと思うのですが、 作業性や皮が収縮するまで使う可能性を考えれば、 両面テープでも良いと思います。

しかしながら、 裏蓋などで急な曲面がある場合は縁が剥がれてくることがありますので、 そこだけはゴム系接着剤で貼るのがよいようです。

市販のゴム系接着剤(G17)を使うなら「G薄め液」で 粘度を調整しないと扱いにくいです。 「G薄め液」はコニシから出ているゴム系接着剤の薄め液で、 ホームセンタなどに頼むと取り寄せてくれます (缶入で1000円。シンナーでは薄められません) 。 某カメラメーカではコニシの「G104」を粘度調整して使っているらしいです。 身近な所では自転車のパンク修理用の缶入のゴム系接着剤が 粘度が低いので使い易いかも知れません。

ゴム系接着剤は説明書に書いてある通り、 接着する双方の面に薄く塗って、 表面がベトつかなくなるまで乾かしてから貼り合わせます。 接着剤の種類については、 別のページに解説を 載せてあります。あわせてご覧頂くとよいかと思います。

貼皮

カメラ用の貼皮は秋葉原の「カメラのにっしん」で1000円で売っています。 両面テープの糊付きでパターンも数種あります。 きむらでも売っていますが、こちらはサイズが大きく価格も2000円で高めです。 手芸屋さんとか皮製品の専門店でハギレの皮を安く売っていますが、 なかなか適当な厚さや硬さ、好みの色の皮が少ないようです。

お手軽な物としては、 東急ハンズの皮売り場に両面テープが付いた皮を売っています。 厚みも適当で色も数種あり、カメラ1台分位の大きさで700円です。

本皮を使った場合は、 フチを皮の色に近いマジックなどで塗ると良いでしょう。 皮を切ったままだと切り口が白っぽく見え、 いかにも素人が貼り替えましたって感じになります (本当は皮のフチを薄く削るのが良いのですが、薄く削るのは難しいです)。 なお、柔らかい皮は伸び易く、カメラ表面の凸凹が顕著になりますので、 ある程度コシのある皮を選んだ方が良いと思います。


以上、知人のレストアマンから頂いた情報です。感謝。 値段等は、2002年現在。変動が予想されますので、参考として扱って下さい。
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