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ネジの締め方、緩め方

ネジはの扱いに関しての知人の解説です。 締め方、緩め方の解説に始まり、ネジにまつわる関連の話題を一気に。


緩め方のポイント

大事なことは、

ネジに合うドライバを使用する
ということでしょうか。 マイナスネジならドライバの先がネジの溝に合う太さ、 プラスネジならドライバの先がピッタリ嵌るものを使用することです。

次は、

押し七分、回し三分
ということですね。 ドライバは押しながら回すものです。 ドライバの頭に手のひらで押しつけながら回しますが、 その力の配分が「押し七分、回し三分」です。 回す力だけを強くするとネジの頭をなめてしまうことも多いです。 ネジの頭をなめてしまうケースで一番多いのは、 この「押し」の配慮が足りないことじゃないでしょうか。

固くて回らないネジは、誰かに時計ドライバの頭を強く押してもらいながら、 ペンチで時計ドライバの軸を咥えて回すと良いかも。 時計ドライバの頭には回転するリング状のものが付いて、 押し回しがし易くなっています。


締め方の基本

ネジの締め方の基本は、

そのネジを緩めるときと同じ力で締める
ことです。 特に相手がプラスチックなど柔らかい材質の場合は 締めすぎると変形しますので注意が必要です。 得てして締め過ぎることが多いのですが、 場所によって締めつけるトルクに強弱を考慮する必要があります。 強く締め過ぎると部品の変形だけでなく、 場合によってはヒビが入ったり割れたりする場合もあります。 また締め過ぎを繰り返すとネジ穴を傷めたりもします。 軽く締め込み、最後にちょっと締める位がいいのかもしれません (言葉では表現が難しいですね)。

あると便利なのが緩み止め剤で、ネジ山に塗布して締め込みます。 これをつけたネジを緩めるときは1〜2割程度力を増して回します。 再度締める時は古い緩み止めを掃除し、 新しい緩み止めを塗布して締めるといいでしょう。 コニシの「ネジやま救助隊 --- ゆるみ止め」や タミヤ模型の「ネジ止め剤」があります。


不幸にしてネジの頭をなめてしまったら

頭が丸い「ナベネジ」の場合は、 鉄ノコやピラニアノコなどでマイナスの溝を切り マイナスドライバで回しましょう。 頭が平らの「皿ネジ」の場合は、 「ネジやま救助隊 --- ネジはずし」を ドライバの先につけて回す方法があります。

これで回せないときは電気ドリルにネジ径より一回り小さな径のドリル歯を付け、 ネジそのものに穴を開けます。 ドリルの振動でネジが緩んで回せるようになったり、 ネジは破壊されて削りカスがネジ穴の中に残ったりします。 この方法は、 途中でネジが折れ中にネジの残骸が残ってしまっている場合にも有効です。


ネジの種類雑談

ISOネジ vs JISネジ
カメラではあまり使用しませんが、 ネジの頭に丸く小さな窪みがついているネジがあります。 これはネジ径が3〜5mmのネジで、ISO規格のネジです。 それ以前のJIS規格とはネジ径は同じですがピッチが小さくなり、 JISネジと区別するためのマークです。
古いネジで、「見かけの太さは同じように見えるが少ししか入らない……」 という場合は、古いJISネジである可能性があります。 特に古い電化製品のプラグなどのネジで、 頭に丸いボッチが無いJISネジを使用している場合があります。

タッピングスクリュー/タッピングネジ
タッピングネジは、 タップでネジ切りをしなくとも 自分自身でネジ切りしながら止めるものです。 止める穴がプラスチックやアルミなどの場合に多用されます。 普通のネジより少しねじピッチが荒く、 ネジの先端部がわずかに細くなっています。
タッピングネジ自体がタップの役をするため、 何度も外したり締めたりしていると、 ネジ穴がバカになって止まらなくなります。 こんな場合はネジ穴に二液混合エポキシ接着剤をつめ、 ネジに離型剤として少量の油を塗って締め込みます。
「離型剤」はプラ製品などを成形した後、 金型から外しやすくするために金型内部に塗るものです。 ケーキ作りで型に流し込む前に型の内部に バターなどを薄く塗るのと同じです。 読み方は分かりません(^ ^; 「りけいざい」「りがたざい」どっちだろ〜。
はみ出した余分な接着剤は、乾燥後にネジを外してカッタで削ります。
普通のネジ穴にタッピングネジをねじ込むと 外れなくなる場合があるので気をつけましょう。

三脚のネジ
三脚のカメラを固定するネジはインチネジです。 この三脚ネジ穴は折たたみ傘の石突きの部分がぴったり入ります。
ただし、 ライカなど古いドイツ規格のものはもっと大きな別規格のネジ穴です。 雲台によってはどちらのネジにも合うように二重構造のネジに なっているものがあります。 また、ネジ穴のアダプタが市販されています。


ドライバの話

着磁
ドライバは磁化させておくと(鉄)ネジがくっつくので使い易くなります。 このための「着磁器」というのが市販されています。 ドライバの先を磁化させたり、または消磁させることができるもので、 ホームセンタ等で売ってます。500円位かな〜? 穴にドライバの先を通してゆっくり引き抜くと着磁し、 着磁器本体の外側にドライバを当て、 ゆっくり上に離すと消磁できます。 手近な所ではスピーカーの磁石など磁力が強いものにドライバを 15〜30秒程度着けておくと磁化させることができます。

プラスネジの場合、磁化したドライバの先にビスをセットすると、指の届 かない奥の部分でもビス止めが容易になります。

ちなみに、プラスネジ(プラスビス)の止め方は、 事前にドライバの先にビスを当て、 指でビスが落ちないよう押さえながらネジ穴の所まで持って行くと、 先にネジ穴にビスを手で立ててから締めるよりも簡単です。 磁化したドライバならビスを手で押さえなくても落ちないので楽ですね。

グリップ
グリップ部が太いドライバが回す力も強くなって使い易いです。 時計ドライバの柄にきつめのゴムチューブを切ったものを嵌めたり、 自己融着テープを何重にも巻いて太くするのも一つの方法です。
「自己融着テープ」とは、0.7〜1mm程度の厚さの薄いゴムで、 引っ張って伸ばしながら電線などに巻いて行きます。 するとゴムが溶けて融着します。 防水効果があるので主に屋外など水がかかる場所や 湿度の高い場所での電線の接続に使用されます。
ついでに、家庭で使うドライバは、 頭がボールを少しつぶしたような形状になっているものが使い易いです。 とっても力が入るので電気工事屋さんの必需品です。

先端
安物のドライバは先がヤワですぐだめになります。 特にプラスドライバは 先がしっかり焼き入れされた良いものを選びましょう。 ちなみに、赤く熱するまで焼いてすぐに水で冷やすのが「焼きいれ」で、 焼いた後常温でゆっくり冷やすのが「焼きなまし」です。 プロの焼き入れは「焼き入れ用の粉末(成分は何だろ?)」を かけて熱します。カチンカチンに硬くなります。

マイナスドライバは、先を鉄工用のヤスリで削って 形を整えておくといいです。


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