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文字入れ

ロゴの文字が薄いのは塗料の剥離ではなく汚れが原因の場合もあります。

ロゴの文字は簡単にきれいになります。 下記の方法なら誰でも失敗なくできます。

  1. タミヤ・エナメル塗料のフラットホワイト(ツヤ消し白)を文字部分に塗ります。

  2. 塗料の乾燥を待つ間に割り箸の先をマイナスドライバ状に削ります。

  3. ツヤが消えて塗料が乾燥したら、 先程作った割り箸で表面の余分な塗料を削ります。

  4. 綿棒にエナメルシンナを少し含ませ、 ティッシュにシンナを吸い取らせてオシメリ程度にしたもので、 余分な所に付着した塗料を拭います。
この方法は乾く前に布で拭き取る方法に比べて失敗が少なく、特別な技術もいりません。 布や綿棒で拭き取る方法は、慣れないと文字の部分の塗料まで拭き取ってしまいます。 この方法なら絞り環などの小さな文字入れも楽にできます。

なお、ツヤ消し塗料じゃなくてもいいのですが、 乾燥に時間がかかるため、白や赤、黄、オレンジなど顔料が重たい塗料は、 乾燥するまでの間に溶剤と顔料が分離して発色が悪くなります (くすんだ感じになります)。 一般に赤や黄色などを塗る時は、先に下地として白で塗装します。 たとえ、素材の色が赤でも白で塗装した後に赤を塗ります。 この場合、下地の白は水性アクリル塗料で、 赤はエナメル塗料というようにするとよいでしょう。

文字入れに使う塗料はタミヤ・エナメル塗料か、 タミヤやグンゼ(現 GSIクレオス)の水性アクリル塗料を使います。 ラッカー系は一応避けた方が良いと思います。 エナメルシンナの匂いが嫌いな人は水性塗料がよいでしょう。 ただし、塗料を薄めるには専用の薄め液を使います。 水道水を使うのは筆を洗うときだけです。

一般的には水性アクリル塗料を使う人が多いのですが、 筆ムラができないのでエナメル塗料の方がその点では扱い易いと思います。 また、エナメル塗料の方が割り箸で削るときにきれいに削れます (言い方を変えれば水性アクリルよりも塗料の食いつきが悪い)。 その他にもベンガラとかアクリルガッシュなどが使えますが、 入手性がよくないと思います(画材店などに置いてあります)。

また、クレヨンでやるのも簡単でよいらしいですが、 粉を詰めることになるので耐久性や太い文字ではどうなのか疑問があります。 やったことがないので、問題ないのかも知れませんが。


塗料の話

上の文字入れの話でいろいろと塗料について出てきたので、 ここで塗料について少しまとめておきます。

ラッカー系塗料
正しくは「アクリル樹脂塗料」ですが、 合成樹脂塗料が一般化するまでは 「ラッカーエナメル」という名前で売られていたのでこの名前で呼ばれます。 ラッカーエナメルとは成分は別物です。
「乾燥が早い、塗膜が強い、光沢がある」などが特徴ですが、 筆ムラになりやすいのが欠点です。

水性アクリル塗料
アクリル樹脂塗料であるのは前述のラッカー塗料と同じですが、 界面活性剤を添加し、アクリル樹脂を乳化して水に溶けているものです。 正確には「アクリル樹脂エマルジョン系塗料」 または「水溶性樹脂塗料」といいます。
塗膜の硬質感や光沢などはラッカー系に劣るものの、 筆ムラが出にくい、ツヤ消しが安定しているなどの特徴があります。

エナメル系塗料
前の二つは合成樹脂塗料に分類されますが、 エナメル塗料は油性塗料に分類されます。
乾燥時間が長い (昔使ったハンブロールは、手に付かなくなるまで三、四日かかった)のが 欠点ですが、逆にいえばそれだけムラになりにくいということです。
塗料のノビがよく、塗膜も丈夫なのですが、 タミヤのエナメル塗料は高温多湿の日本向けに成分調整をしているようで、 乾燥は他のエナメル塗料よりも早いものの、食いつきが悪いです。
昔のハンブロールは乾燥するとシンナでも溶けなかった位に塗膜が強く、 食いつきも強かったです(今のハンブロールについては不明)。
カメラにエナメル塗料を塗り、 手に付かなくなった頃にオーブントースターに入れ、 130度で15分位の焼付け塗装をしている人もいます。

※ ラッカー → 水性アクリル → エナメルの順に塗り重ねることはできますが、 その逆の塗り重ねはできません。


以上、知人のレストアマンから頂いた情報です。感謝。
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