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シャッタの種類

シャッタの種類について知人に解説してもらったものです。


フォーカルプレーンシャッタとレンズシャッタ

「シャッタを形成する羽根や幕などがレンズの近傍に置かれるものを レンズシャッタ(lens shutter)といい、 感光材料の近傍に置かれるものを フォーカルプレーンシャッタ(focal-plane shutter)という」 ということになります。


レンズシャッタの種類

レンズシャッタはそれが置かれる位置によって下記の3種類に分かれます。

ビフォア・ザ・レンズシャッタ
レンズの前方(前玉の前)にシャッタ羽根があるものです。 この形式を採用したカメラは見たことがありませんが、あるのでしょうか。
大昔に手でレンズキャップを取り、 一定の時間がきたらキャップをかぶせて撮影した時代がありました。 キャップを取っている間だけ露出するものですが、 これもビフォア・シャッタの部類に入るんでしょうね。
思い出しました。 キヤノン110EDなど110カメラで結構採用されていたようです。 110EDではレンズの前にギロチンシャッタが配置されています。 ギロチンシャッタとは、2枚の板のそれぞれに穴が空いていて、 先幕に相当する板が走行した後、後幕に相当する板が走行し、 穴の重なり状態の変化でシャッタ速度を変化させるものです。

ビトゥイン・ザ・レンズシャッタ
レンズの前群と後群の間にシャッタ羽根があるものです。 ハイマチックFやエレクトロなど多くのカメラで使われています。 略してビトウィン・シャッタとも呼ばれます。

ビハインド・ザ・レンズシャッタ
レンズの後方(後群の後ろ)にシャッタ羽根があるものです。 コニカC35などのカメラで使われています。 略してビハインド・シャッタとも呼ばれます。

平面展開型シャッタ

電子シャッタになってから多く採用されたものに 「平面展開型シャッタ」があります。 確かローライ35で初めて採用された形式だと思いますが、 レンズ鏡胴部に羽根だけを残し、 その他の機構をレンズボードの裏側などに分散して配置したものです。

この形式は従来の鏡胴内部に全てのシャッタ部品を組み見込んだものに比べ、 鏡胴の直径がコンパクトに纏められ、 スペース的にも余裕があるので部品サイズも無理に小さくする必要がなく、 設計や製造が楽になるメリットがあります。

エレクトロ35FCはエレクトロシリーズ初の平面展開型シャッタで、 これまで依存してきたコパルではなく、 自社製の平面展開型レンズシャッタを採用しています。 このことによりカメラメーカでもレンズシャッタを含めたカメラ全体を製造でき、 量産化によるコストダウンというメリットも得ることができました。


絞り羽根兼用型シャッタ

ミノルタHI-MATIC Eやオリンパス35DCみたいな絞りと一体化されたシャッタは 「絞り羽根兼用型シャッタ」というようです。

羽根が2枚の場合が多く、 羽根が開き始めてすぐに閉じると「高速・小絞り」になり、 全開付近で閉じると「低速・大絞り」になります。

こういった動作は「シャッタ速度と絞りとの組み合わせが1つ」という プログラム露出に最適であり、 機構も簡単なのでプログラムAEのコンパクトカメラに多く利用されています。


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